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カワイ ピアノコンサート 副島響子

先日クレーフェルトであった、カワイ主催のピアノコンサートを聴きました。 

この催しは月に一度、優秀な若手ピアニストが登場するピアノソロのリサイタルで、今年より会場が Musikschule Krefeld になり、その第1回目。 今回は日本人ピアニスト副島響子(そえじま きょうこ)さんが、バッハからチャイコフスキー、プーランクなど幅広いプログラムを演奏しました。 

2月28日(金)20時 Kyoko Soejima, Musikschule Krefeld 
Programm プログラム 
J.S.Bach バッハ / Englische Suite Nr. 3, g moll, BWV 808 イギリス組曲 第3番 
F.Poulenc プーランク / Improvisationen 即興曲 Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ、Ⅷ、ⅩⅣ、ⅩⅤ 
C.Debussy ドビュッシー / Suite Bergamasque ベルガマスク組曲 
K.Szymanowski シマノフスキ/ Thème Varié op. 3 変奏曲 
P.Tchaikowsky チャイコフスキー/ aus 6 Klavierstücke, op. 19: Thema und Variationen 六つの小品 作品19より「主題と変奏」
Zugabe アンコール
 J.S.Bach / Jagdkantate BWV208 より「Schafe können sicher weiden 羊は安らかに草を食み」 
F.Mendelssohn メンデルスゾーン / Spinnerlied C-Dur Op. 67 Nr. 4 無言歌集「紡ぎ歌」 

冒頭のイギリス組曲は、一音一音が生きており、常にほどよく保たれた声部のバランス、途切れることのない、説得力のある解釈。たった2声のガボットから、特に“芯の強さ”を感じました。
時折客席から雑音が聞こえ、こちらが完全に“静”の状態でない中、高い集中力で自身の空間を作り出していました。

 次のプーランクの即興曲では、絵の具のついた筆を振り回して、彩り豊かな作品を描きあげているかのよう。2010年のプーランク国際コンクールで第1位受賞の経歴を持つとの事で、どこか滑稽で、抜群のリズム感がキラリと光り、こ洒落たプーランクになっていたところはさすが。 最終曲「エディット・ピアフを讃えて」を聴く頃には、抜粋でなく(彼女の演奏で)全曲を聴いてみたいと思ったのは、きっと私だけではないでしょう。 

何度も耳にしたことのある名曲というのは「やはりこの曲はキレイだ」となればいいが、単なるBGMにもなり、わずかなミスは許されず、本当に心に響いて残る演奏は難しいもの。その誰もが知っているドビュッシー「月の光」は、何とも控えめな、美しいピアニッシモでささやかれ、新鮮で素敵でした。 
続いてシマノフスキの難曲を弾き終えた後は、余裕の笑顔。 卓越した技術は言うまでもなく、計算されたダイナミック、響きの終え方(音の切り方)などが絶妙でした。150席ほどの小さな会場は出来たばかりの別館で、ほぼ満席。小柄なピアニストが、鍵盤を巧みに操っている姿は印象的で、彼女の実力の高さを、観客皆が認めているのが伝わってきました。

歴史的文化財に指定されている本館や広い庭園は美しく、今後世界で活躍するであろう若きエリート・ピアニストの演奏を、クレーフェルトまで聴きに行く価値はあると言えるでしょう。 

次回は3月21日(金)20時、プログラムはベートーヴェンやシューベルトのソナタなど。(予定) 
こちら のサイトでチケットを購入すると、割引があります。自由席、8€。 
また4月にショパン弾きとして有名なピアニスト、ヴォイチェク・スヴィタワ氏のマスタークラスが企画されており、コンサートやレッスンを聴講できます。クラシックファンや専門家は必聴。

by pianokammer | 2014-03-07 05:22 | コンサート評